オペラ座の怪人
昨日、予定通り劇団四季の「オペラ座の怪人」を観てきました。初・劇団四季ということで、ドキドキ。カレッタ汐留にある劇場・海も初めて。(中に入るのはね。)明るくて機能的なホワイエ。小ぶりだけど、観るぞー!というワクワク感が高まる空間ですね。
場内も思っていたより小ぶりの造り。大きさとしては、国立劇場小劇場くらいかな、と思いました。だけど小劇場との違いは天井。私は1階席だったのですが、頭上に張り出した2階席の圧迫感がすごくありました。そして、落下予防ネット…これは必要なんだろうけど見苦しいな、というのが感想。
初めてはいる劇場ということで、ちょっと浮かれつつ、トイレもチェックし、オケスペースも見て、先頭座席から後ろ全体を眺めることまでしました…テツさんと一緒に。劇場というスペースの構造はやっぱり興味あるところですよね。造りに音響も関わってくるのだし。幕間の休憩時間には、2階席まで見学に行きましたよ。なかなか、面白かったです。
さて、肝心の演目「オペラ座の怪人」ですが、私、四季は初めてなので驚いたのが、複数キャスティング。一つの役に何人もの人が配されていること。コレって、やっぱりロングラン公演のせいかな?一つ疑問は、配役でチケットを選ぶことも出来るのだろうか、という点。日付で空いているからチケットを取る、では無く、この人が出る日のチケットを取る、ということが出来るのかなー?とちょっと思っちゃいました。私は詳しくないので、そこまで拘りはしないけど、何度も観ている人はそうしたいだろうなと、ちょっと思ったので。
ちなみに24日の主な配役は以下のとおりです。
- オペラ座の怪人 = 佐野正幸
- クリスティーヌ・ダーエ = 西珠美
- ラウル・シャニュイ子爵 = 北澤裕輔
舞台はパリ・オペラ座の没落後から始まります。映画と一緒ですね。違うのはスピード感。なんだろ、舞台だとやけにスピーディーに感じます。豪奢な舞台装置にも目が奪われますが、注目の的はやはりシャンデリア。うーん、これも映画と比べてしまって申し訳ないけど、豪華さにちょっと欠けるなぁと。華やかさとかキラキラ感に欠けるのが残念です。
そして、歌姫クリスティーヌ登場。ソロアリアを歌い上げる姿は、なかなかのものだと思います。が、声が響いてこないのがちょっと不満。席のせいか、劇場の造りのせいか…。はたまた、「オペラ座の~」の曲と日本語の相性が悪いのか。
これは全体的に言えるのですが、日本語の歌詞だと内容を理解して聞くことが出来るのは嬉しいです。が、無理に日本語にしたために、リズムが崩れることが多く、ぷっつんぷっつん歌が途切れて聞こえるのが、すごく残念でした。曲はこんなになめらかなのに…と思ってしまいます。
後、映画の影響が大きすぎた、というのもガッカリする原因の一つかと。テツさんも認めました。「自分は映画の『オペラ座~」しかしらないし、それですり込まれているから、逐次比較してしまう。」と。私もその傾向は大きかったと思います。声が違う、歌い方が違う、歌詞が違う。どうしても違和感が拭えないのですね。あぁ、残念。
でも、生の舞台から受けるエネルギーはやっぱり大きく、クリスティーヌのソロ、ファントムとクリスティーヌのデュエット、クリスティーヌとラウルとのデュエットなどには、ピクピクってしましたもの。細かい部分ではぎこちないなぁと、感じることもありますが、時折そうして聴かせて貰えのはよかったです。
それと、舞台の使い方。これもうまーく使っていて、秘密の地下に降りていくシーンでは、宙づりの橋を上に下にと左右に振りながら、上り下りを表していて、照明の当て方でそれがうまく見えるんですよ。あ、これはいいなって思いました。それと地下の湖のシーンでは、小舟の動き方や燭台の使い方が上手くて、とても幻想的なシーンにうっとりしましたよ。うん、あれはよかったな…。
あぁ、後、公演が成功してラウルがクリスティーヌを食事に誘う前後のシーンでは、バレエのアンサンブルがうまく使われていて、それを観るのに目を右に左にと忙しく動かさなきゃでした(笑)クリスティーヌの様子も気になるし、バレエの動きも気になるしで、あれは大変だったですよ。
ラストの湖のほとりでの3人の掛け合い。ピンと張りつめた空気の中、三者三様の歌声が響く。ここばかりは、歌詞が日本語でもほとんど分からなかった(笑)そして、ついにファントムはクリスティーヌを諦め、二人で出て行けとラウルの首の綱も切る。ファントムの葛藤をもうちょっと観たかった気がします。ちょっとあっさりしてませんか?最後にクリスティーヌがファントムに指輪を返すシーンでは、分かってはいたけど、そこでトドメを射すことは無いのに…とつい思ってしまいます。
見終わって、テツさんとの感想は「映画を基準に置くと、観るのがツライ。声も音響がよくないと楽しめないね。配役も、今回は映画版の方が好みとしか言えない。」となりました。こればかりは、好みの問題もあると思うけど、せっかく生の声を舞台に響かせるなら、よく通る声を聴きたいと願うのは我が儘でしょうか?今回は少し後ろだったせもあり、天井の2階席が邪魔していた可能性が高いです。もっと前の席か、いっそ2階席の前部ならもっと聞こえが違うのかもしれない。
そう思い、ついついまたチケットを取ってしまいました。今度は2階席。配役も多分違うでしょう。こればかりは、どういうシステムなのか私には分からないので。2度目は、また違う視点で見られるかな?映画の呪縛からも抜けているかな?そういった意味でとても楽しみです。